オワリハ ハジマリ ~4/30チャレンジ富士五湖100キロ 完結編~
51.6キロ地点、西浜小エイドはとても静かだった。
ここで受け取れる荷物はシートの上に置いてあったが、
手渡してくれる人はいない。自分で探した。
水を飲む。
この水を飲むのは、すでに走るためでは無くなっている。
今まで7時間、持てる力はすべて走るために注いできた。
でも、もう必要ない。
ただ、敗北感だけ。だけど・・・。
なんだろう。笑ってるし。
収容車に乗る。
バスで隣に座った男性も汗が乾いて塩にまみれていた。
新潟からはるばるやってきたらしく、初の100キロだそうだ。
「周りの人はみんな、無理だからやめろって言うんですよ。
まぁ本当になっちゃいましたけどね。」
と笑っていた。
私には分かる。また挑戦するに違いない。
こう言って別れた。
「来年、くびきので会いましょう。」
13時近く、北麓公園体育館に戻る。
主を待つ荷物達が所狭しと並べらている。
だが、まだ帰ってくる人は少ない。
リタイアした人以外は。
まだ本栖湖からの荷物は戻ってこない。
関門時間が14:30だから、戻ってくるのはその後になるようだ。
くびきのでは、リタイアした時点でナンバーがトランジット地点まで連絡され、
ゴール地点に帰ってくる頃には荷物は戻っていた。
大会によっていろいろだ。
やることもなく、体育館の2階のベンチで横になっていた。
眠れるハズも無く、ただぼんやり考えていた。
「なんでオレ、こんな事してるんだろう?」
まだたくさんのウルトラランナー達が走り続けている。
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オワリハ ハジマリ ~4/30チャレンジ富士五湖100キロ その3~
やっとの思いで山中湖を1周した。
すでに身体は重く、足も重く、腰は非常ランプを点滅し続ける。
半ば投げやりな気持ちで足を進めた。
こんな状態で走っていて何か意味があるのだろうか?
完走出来ないと分かっていて、走る意味があるのだろうか?
まるで敗戦処理をする投手みたいだ。
山中湖から離れていく。
私は知っていた。今年新設のやきとりふじの関門時間が迫っていることを。
でもどうすることも出来ない。
ペースをコントロールする力なんて残ってないのだ。
行きの山中湖に向かう際、やきとりふじのエイドの前を通過した。
その際、そこのおじさんが声をかけてくれた。
「あと2時間。ここへ戻ってくるまで16キロくらいだからね。」
キロ7分ちょいだね。ギリギリだ。
それを念頭に山中湖を走った。
でもこの関門を越えても、どこまでいけるのか。
そして・・・。
そしてやきとりふじが見えてきて、係員の人が何か叫んでる。
何だ?
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オワリハ ハジマリ ~4/30チャレンジ富士五湖100キロ その2~
さて翌朝3時半、私と112キロの2人は
同宿のひよこさんの車に乗っけてもらって北麓公園に到着。
ここで驚いた、3時半で公園駐車場は満車・・・。
去年は10分早いくらいだったけど、まだ空いてたな。
どうしちゃったんだ?みんな前泊しないで車で来たのか?
来年は駐車場の開門待ち、決定だな。
私と112キロの2人はここで降ろしてもらう。
ひよこさん夫妻は車を少し離れたドギーパークへもって行く。
・・・スイマセン。
体育館前でA地点、B地点へのトランジットの荷物を預ける。
そして体育館へ。
外は寒いのでここで準備。去年も思ったがココは土足厳禁なのでスリッパが必要。
靴脱いで歩いてると、足から冷えます。
準備がいい人はシートを敷いて、その上にもう一枚厚いシートを敷いてそこに座ってます。
トランジットでない、ここで保管してもらう物を預ける。
アーリーエントリーのTシャツやスタッフジャンパーの今年のデザインはいいね。
そうこうしているうちに、112キロの部のスタートの4:30になりました。
まだ暗いが富士山はうっすらと見えている。
この時間の富士もまた威厳があって、神秘的で、とても好きな風景だ。
ここが露天風呂で、こんな風景を眺めながら温泉につかってたら、
升酒何杯でも飲めるな・・・。
でも酒を飲むわけにはいかないらしい。
走るのだ。
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オワリハ ハジマリ ~4/30チャレンジ富士五湖100キロ その1~
綿棒が好きだ。
軸が木で出来ている昔の硬いやつ。
ガシッと力が伝わり、思う存分
耳の中をかき回すとうっとりとしてしまい、つい内股になっている。
あぁ、気持ちがいい。
血が出て来たってかまわない。かさぶたになったって、本望だ。
あの快楽さえあれば。
ただ最近は軸が柔らかいものしか見なくなった。
その方が安全らしい。
「赤ちゃんでも安心」とか、「ソフトな使い心地」とか。
な、なんて腑抜けな綿棒たちなんだ!
私はかなりベテランの花粉症ニストだか、
柔らかいティッシュは家では使わない。もっぱらトイレットペーパーだ。
やたら使うのでもったいないっていうのが主な理由だか、
ムズムズしている時にバリッと破いて鼻をかむのが主義なのだ。
今は花粉症用のしっとりとした柔らかいティッシュが出ているが、
花粉症の醍醐味がない。
絶えず鼻が赤くヒリヒリしていないと真のベテランとは呼べない。
男梅と言う飴を貰った時には感動した。結構酸っぱい。
うん、男らしい。
スポーツドリンクに日本薬局方の粉末のクエン酸をたっぷり入れて
おもいっきり酸っぱくして毎日飲み、胃を壊した私が気に入ったのだから間違いない。
カワハギの肝あえが好きで、
以前クーラーボックス一杯に釣ったカワハギを、
他の調理もすればいいのにすべて刺身にして、肝醤油であえ、
どんぶり一杯食べたら気持ち悪くなった。
うん、男らしい。
高尾山の稲荷山コースを走って下る際に山ガール達が登ってくるのを見て、
良いところを見せようと飛ばしてたら
(もちろん広いところで、ハイカーには距離をとり安全を確認して。)
目の前でおもいっきりヘッドスライディング、こけた・・・。
少しでも反応してくれたらいいのにたぶん気を使って、何事も無かったことにして、
彼女たちはすれ違っていった。
うん、男らしい・・・。
そんな男らしい私は、
去年95キロで関門に引っかかったチャレンジ富士五湖 にリベンジすべく日々トレーニングを重ねていた。
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不思議な1日 ~2009年4月12日戸田彩湖ウルトラマラソン~
ランステで知り合った方から誘われ、
(チャレンジ富士五湖の
大会レポその4で登場している変態O氏)
仲間に加わらせていただいたSWRCの練習会に先日参加しました。
前回の皇居ラン+土砂降りBBQから2度目ですね。
その打ち上げで、なぜかテーブルの向こう側で
チャレンジ富士五湖の話で盛り上がったらしく、
5人が72キロに勢いで初エントリー。
え~っ、ホント?いいの?
紹興酒の飲み過ぎで、酔っ払ってない?
でも私、こういう人達って好きなんですよね。
興味があったらまずチャレンジしてみる。
そばに居ると間違いなくパワーをもらえます。
そしてその話を聞いたとき、思い出しました。
初めてフルマラソン以上の距離を走った日のことを。
その大会はスポーツエイドジャパンが主催する、
2009年4月12日・戸田彩湖フル&ウルトラマラソン。
埼玉県戸田市にある、
道満・彩湖グリーンパーク内、
1周5キロ弱のコースをウルトラは15周(70キロ)します。
私の地元であり、知り合いの彩湖ランニングクラブがエイドのお手伝いをしております。
そして前年のオクトーバーズ・ランで知り合った仲間が応援に来てくれました。
その時はまだそれほど気心知れてないのに、至れり尽くせりな応援でした。
まぁ私が走るにかこつけて、ピクニックを楽しんでいたという説もありますが・・・。
でも本当に優しくしてくれて感激してたんです。
今でもこのチームサリューのメンバーは私の自慢のラン友なのです。
以下の大会レポは、走った翌日に応援してもらったチームの仲間に向けて
感謝の意味も込めて書いてグループメールで送ったものです。
今でも読み返すとあの時の感動が蘇ってきます。
初ウルトラ参戦の方々に応援の意味も込めまして、
掲載させていただきました。
少しでもウルトラマラソンの魅力が伝わればいいなぁ、と思いながら・・・。
大会翌日に書いたので、恥ずかしながら少々感傷的です。
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